THE GREAT DECEIVER1&2 / KING CRIMSON(グレート・レシーバー/キング・クリムゾン)
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『ザ・グレート・でシーバー』(THE GREAT DECEIVER) は、1973~1974年頃のライブをまとめたもの。かつては4枚組として発売されていましたが、今ではそれぞれ2枚組として、1と2に分かれて販売されています。4枚組よりも音が数段よくなっているようなので、これから購入されるかたは2枚組のほうをお勧めします。
正直ここまで来ると、マニアにお勧めと言えるもの。インプロビゼーションもいろいろ出てくるので、マニアでない人にはかなり退屈かも知れません。しかし、この4枚セットをもってクリムゾン・ライブの最高傑作という人も少なくないようです。当時のクリムゾンのライブの実際が味わえるからです。
特に注目すべきなのは、セカンドアルバムの “Peace – A Theme”と“Cat Food” こんな曲もまだプレイしていたのだと、ありがたく聴くことができます(2010年以降もよくライブでプレイされていますね)。
メンバーは
ロバート・フリップ -ギター、メロトロン
ジョン・ウェットン -ベースギター、ヴォーカル
ビル・ブラッフォード -ドラムス、パーカッション
デヴィッド・クロス -ヴァイオリン、ヴィオラ、メロトロン
“Starless”が2種類入っているので、聴き比べてみると興味深いと思います。
このライブが収録された頃がKING CRIMSONの2つ目のピークだと思うので、KING CRIMSONをより深く探求したいなら押さえておいて無駄ではないライブ・アルバムと言えるでしょう。
2枚組になってからのジャケットの絵もパメーラ・ジューン・クルック(P.J.Crook)という女性が担当し、彼女のイラスト画が採用されています。不思議な画風ですが、やはりクリムゾンには合ってないと私は思います。
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KING CRIMSONはさらに1980年代にも結成されて、初来日公演も実現するのですが、グレッグ・レイクやジョン・ウェットンと言った、ボーカリストとしても非常に評価でき、音楽のアンサンブルとしても楽しいサウンドが、1980年以降はギターが2本入り、サックスやフルートはなく、こころで聴く音楽から、だんだん頭で聴く音楽へと変化して行ったように思います。
もちろん、好みの問題ですが、叙情的で壮大なイメージのCRIMSONが1980年代以降は陰を潜め、様式美を追い求めるようになって行きます。ロバート・フリップさえいればKING CRIMSONとして成り立つと思っている人はそれでいいでしょうが、全体のアンサンブルとして捉えたとき、1970年代までのCRIMSONと1980年代以降のCRIMSONはかなり違うと思います。
1980年代以降のCRIMSONも嫌いという訳ではないので、また時間があって気が向けばレビューを書いてみたいと思います。
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