WAITING FOR COLUMBUS / LITTLE FEAT(ウェイティング・フォー・コロンブス/リトル・フィート)

2020年4月28日

 

WAITING FOR COLUMBUS / LITTLE FEAT

DISC I

1. Join The Band
2. Fat Man In The Bathtub
3. All That You Dream
4. Oh Atlanta
5. Old Folks’ Boogie
6. Dixie Chicken
7. Tripe Face Boogie
8. Rocket In My Pocket
9. Time Loves A Hero
10. Day Or Night
11. Mercenary Territory
12. Spanish Moon

DISC II

1. Willin’
2. Don’t Bogart That Joint
3. Apolitical Blues
4. Sailin’ Shoes
5. Feats Don’t Fail Me Now
6. One Love Stand (Outtake)
7. Rock And Roll Doctor (Outtake)
8. Skin It Back (Outtake)
9. On Your Way Down (Outtake)
10. Walkin All Night (Outtake)
11. Cold, Cold, Cold (Outtake)
12. Day At The Dog Races (Outtake)
13. Skin It Back (Outtake first issued on "Hoy-Hoy!")
14. Red Streamliner (Outtake first issued on "Hoy-Hoy!")
15. Teenage Nervous Breakdown (Outtake first issued on "Hoy-Hoy!")

※曲目は2枚組DX盤CD収録曲です。

※発売時期や国によって多少ジャケットが異なりますので、ご了承ください。ジャケット・デザインはネオン・パーク。サボテンなどが生える庭園でトマト娘がハンモックに寝そべり微笑んでいる絵が描いてあります。楽しいライブの内容を表すような素敵なジャケットです。

 このアルバムは1978年に発表されました。アルバム・タイトルの「WAITING FOR COLUMBUS(ウェイテイング・フォー・コロンブス)」は直訳すると“コロンブスを待っている”という意味。まだまだそれほど有名とは言えないLITTLE FEATがこのライブで多くの人にLITTLE FEATの音を知って欲しいと言う願望が秘められていたようです。リトル・フィート ライブ1

 収録は1977年8月です。ロンドン、マンチェスター、ワシントンDCの3箇所で計8回のコンサートを行い、その中からピックアップしたものとのこと(結果的にマンチェスターでのライブは収録されていません)。当時ドラッグの影響でローウェル・ジョージは体調のいい時と悪い時がかなり差があったらしいので、いい状態の時のをピックアップしたものと思います。正直、ローウェルが他のメンバーにいきなりツアーをやって、ライブを録音しようぜ、と言った時、メンバーはビックリしたんじゃないかと思います。しかし、ローウェルはもう自分の余命が長くないことを悟っていたのかも知れませんね。

 バックにタワー・オブ・パワーのホーンセクションやDOOBIE BROTHERSのメンバー、そして当時はROLLING STONESのメンバーだったミック・テーラーも参加して実に豪華。レコードが発売された時は2枚組で発売されたのですが、CDの場合は1枚にすると収録できず(よって、1枚盤はレコードより曲目が少ない)、のちにボーナス・トラック付きということで2枚組CDも発売されていますが、どうせ買うなら、この2枚組を買ってください。絶対オススメです。ローウェル ライブ

 とにかくこのアルバムに関していえば、「百読は一聴にしかず」です。LITTLE FEATが超一流のライブ・バンドだということを思い知らされるアルバムと言っていいでしょう。数多い、ロックのライブ・アルバムの中でも5本の指に入ると言ってもいい、秀作だと思います。

 LITTLE FEATの場合はとにかくスタジオ盤の場合は3分台の曲が多く、途中フェイドアウトで終わってしまう曲が非常に多かったので、1曲1曲が延々と演奏されるのを聴くと、改めて、おー、この曲ってこんなに凄かったの?という驚きを隠しきれないことの連続です。

 1978年と言えば、日本公演も行われて、ライブ・アルバムも出て、当時としてはローウェルが体調が悪かったなんて考えてもみませんでした。

 さて、収録曲に関してはいくつかピックアップして書いてみましょう。リトル・フィート ライブ2

 まず、オープニングの“Join The Band”はコンサート開始前にバンドのメンバーが気合い入れとして歌っていた曲なんだそうです。EAGLESもコンサート前に、気合いを入れるために、必ずコーラスの練習をしていたように力を合わせて頑張るべく、何かしらやるバンドが結構あるようですね。

 “Dixie Chicken”はかなり延々とプレイしてますね。ピアノのソロなどは即興でプレイしているようですね。

 “Rocket In My Pocket”も後半のギターソロなど延々となされていて良いと思いました。

 “Cold, Cold, Cold”・・・この曲、なぜ日本公演でやらなかったのでっしょう?すごく熱演で、エンディングのギターソロもすごいです。

 “Day At The Dog Races”・・・ローウェル・ジョージ抜きの演奏ですが、9分超えの熱演です。ベースソロやドラムソロも聴けて、とにかくノリノリです。

 “Teenage Nervous Breakdown”・・・この曲もノリノリのロックンロールです。

 やはり、メンバーそれぞれがバック・ミュージシャンやスタジオ・ミュージシャンとしてかなりの経歴を持っているので、演奏テクニックがホントに半端じゃないですね。

 しつこいようですが、LITTLE FEATの本当の良さを理解したいなら、このアルバムは是非聴いてみてください。桑田佳祐さんの音楽が好きなかたなら、このすばらしさは理解いただけると思います。

 こうしてライブ・アルバムで大成功を収めたLITTLE FEATですが、ローウェル・ジョージは突然LITTLE FEATを解散してしまうのです・・・。

 ついでにローウェル・ジョージ在籍時の最初で最後のジャパン・ツアーをご紹介しておきます。

 来日時にはローウェルはかなりデブっており、それもドラッグの影響だったのでしょう。しかし、公演中は不調と思わせるようなことも全くなく、素晴らしい演奏を毎回してくれました。まさか1年後、帰らぬ人になってしまうとは・・・。

 東京公演では、ファーストアルバムに参加してもらってから交遊のあった矢野顕子さんがアンコールに登場してコーラスに加わった日もありました。ローウェル ライブ2

 ローウェルはお父さんの仕事の関係で、子どもの頃、一時期、日本に住んでいたこともあるという話もあり、日本語もそこそこ分かったようで、曲と曲の間で、観客が「ロォーウェル~!」と呼ぶと「ナニ?」と日本語で返すようなほほえましい場面もありました。

 1978年来日公演日程

7月1日(土)  名古屋市公会堂
7月4日(火)  新宿厚生年金会館
7月5日(水)  中野サンプラザ
7月6日(木)   大阪フェスティバルホール
7月7日(金)   中野サンプラザ
7月8日(土)  中野サンプラザ <追加公演>

 セットリスト

1,   Skin It Back
2,   Fat Man In The Bathtub
3,   Walkin’ All Night
4,   Rock And Roll Doctor
5,   Time Loves A Hero
6,   Day Or Night
7,   Oh Atlanta
8,   A Apolitical Blues
9,   Day At The Dog Races
10, All That You Dream
11, Old Folks Boogie
12, Dixie Chicken
13, Tripe Face Boogie

ENCORE
  Willin’
  Don’t Bogart That Joint
  Feats Don’t Fall Me Now
  Rocket In My Pocket

 かなり、ハードな日程でしたが、メンバーはライブ・ツアーができる喜びを噛みしめて、毎晩楽しくライブをやっていた感じでした。

 1977年、78年はLITTLE FEATはこれまでにないライブを沢山やったようです。ローウェルも体調がよくない時もあったでしょうが、ライブ演奏が各地でできて幸せだったのではないでしょうか?


 YouTubeにアップされている、1977年ロンドンでのライブ・映像を見ることも可能です(著作権の問題等で突然消えることがあるので、その際はご了承ください)


LITTLE FEAT-Rainbow Theatre London 1977