SONG REMAINS THE SAME / LED ZEPPELIN

DISC1

1. Rock And Roll

2. Celebration Day

3. Black Dog (including Bring It On Home)*

4. Over The Hills*

5. Misty Mountain Hop*

6. Since I’ve Been Loving You*

7. No Quarter

8. The Song Remains The Same

9. Rain Song

10. The Ocean*

DISC2

1. Dazed And Confused

2. Stairway To Heaven

3. Moby Dick

4. Heartbreaker*

5. Whole Lotta Love

※「*」マークはオリジナル・サウンドトラック盤には未収録の曲。

 レッド・ツェッペリンの7枚目のアルバムにして初の公式なライブ・アルバムにあたる「SONG REMAINS THE SAME」。日本語タイトルは「永遠の詩(熱狂のライブ)」。当時はLPレコード2枚に入る長さで発売されていたが、ジミー・ペイジが2007年にリミックスを施し、「永遠の詩(熱狂のライブ)~最強盤」という形で改めて、発売されました。本来は映画館で劇場公開されたる「SONG REMAINS THE SAME」のサウンド・トラック盤という形式で発売されたもの。
 映画はニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン1973年7月27日ー29日で行われたコンサートのライブを中心に、舞台裏や別撮りのメンバーそれぞれの幻想シーンが各処に散りばめられた、やや散漫な内容の映画となっています。ライブを再現するというより、コンサートのドキュメンタリー要素が強く、さらに各メンバーのイメージが加えられた感が強いです。
 正直、ライブ演奏部分以外は繰り返しみたいとは思わない映画になっています。それでも、映画が公開されると全米では大ヒットとなっていますから、ツェッペリンの当時の人気がうかがえますね。

 1976年にリリースされたので、発表時期からすれば「PHYSICAL GRAFFITI」のほうが先に発売されたことになります。これはライブ収録された映像部分が3日間で2時間ちょっとしかなく最初の監督がなかなか編集しないため首になり、新たに監督が任命され、「映像と音源の緻密な切り貼り作業+足りない部分をスタジオで再現収録」が行われるのに時間を要したためと言われています。したがって、映像部分と実際のライブの音は収録日が異なる部分も多いとのことですが、どこが切り貼りされているかはジミー・ペイジも分からないくらい巧妙な編集がされているそうです。
 コンピュータ技術がない時代にそれだけすごく努力したのだと思います。

 ライブ音源もあとからかなりいじくっているところが見られますが(もっともジミー・ペイジによると3公演の演奏のいいところを上手につなぎ合わせているところはあっても、あとでオーバーダビングなどの手を加えたようなことは少ないとのことです)、実際にコンサートを見た経験のないためオフィシャルな初のライブが聴けたことで私は満足しました。でも、当初は“Black Dog”“Heartbreaker”といったメジャーな曲も入ってなかったので、完全に近い形で出して欲しいと思いましたが、レコード会社としては2枚組で出すだけでも大変なのにましてや3枚組なんてありえないと思ったのでしょうね(YESは当時3枚組の{YESSONGS」を発売してかなり話題になり売れてましたけど、かなりの例外でしょう)。

 アルバムはサントラ盤と銘打ってありますが、映画に登場する順番と収録順は違ってますし、映画とアルバムでは別の日のものが使われてたりで純粋な意味でのサントラ盤とはなっていません。

 今回はリミックスされたバージョン(最強盤と言われるもの)を紹介します。当初のアルバムだと、コンサートの模様を断片的に伝えているにすぎなかったものが、この最強盤でかなり解消されたので、コンサートを聴いている気分になれるということはとてもいいことだと思います。

 オープニング曲の“ Rock And Roll”はアンコールで演奏されることが多かったようですが、1972年の日本初来日公演から当分の間、オープニング曲として演奏されていたようです。ノリのいいストレートなロックなので、オープニングに持って来て一気に観客を乗せるにはうってつけの曲と言えるでしょう。
 このアルバムに収録されているバージョンも心地良く聴けて良いです。

 コンサートの模様は映画を見るとよく分かるのですが、驚いたのがドラム・セットが特に台の上に置かれることなく、フロアにそのまま置かれていること。ライブを通して、一番よく動き回り、衣装もハデハデなのはギターのジミー・ページで、ほかのメンバーはあくまでも自然体って感じですね。ロバート・プラントなんて最初から上半身ははだけて、ズボンもジーパンというラフなスタイルですから。

 1973年のアメリカン・ツアーでは、1曲目の“Rock And Roll”のあと“ Celebration Day”のイントロ部分だけが演奏されて3曲目の“Black Dog”へとメドレー形式で演奏されていたようです。

 「IV」の解説の際、書いたように、「HOUSES OF HOLY」の録音の途中で、ロバート・プラントが喉を傷めて以降、ロバートのボーカルには陰りが出てきたので、この時のライブも彼自身の声の全盛期と違って特に高音部は苦しそうですが、とはいえ、2007年のライブ等に比べると、まだまだ声は出ています。

 ライブの際には、メンバー以外のサポート・ミュージシャンを使うバンドも少なくないですが、ツェッペリンはあくまでメンバーでの演奏にこだわったために、ジョン・ポール・ジョーンズがキーボードを弾いているパートではベースを弾く人がおらず、その分、演奏が薄っぺらになっている事実は否めません。

 しかし、ハードロックのライブとはそもそも、アグレッシブなサウンドと熱気を楽しむというのが正統な楽しみ方と言えるでしょうから、荒削りで即興的な演奏は臨場感たっぷりでかえって小気味良いと言えるくらいです。

 ですから、このライブ・アルバムでも印象的なのは、スローで聞かせるタイプの楽曲よりも、ストレートなハードロックのほうが乗れまね。

ライブはたとえばYESのように、スタジオ・アルバムと寸分違わないような、忠実な演奏をやるような驚異的なアーティストもいますが、ツェッペリンはその対局にいるような、毎日違ったアドリブだらけのスリリングな演奏をするタイプ。

 “Dazed And Confused”でジミー・ページがソロ・パートでやるバイオリンの弓でギターをかき鳴らす演奏は、初めて見た者には面白いかも知れませんが、長い間見続けることに耐えられる人が一体どれくらいいるのかと私自身は疑問に思ってしまいます。毎回、弓の繊維はどんどん切れてしまうし、音もセンセーショナルとは思えません。弓でこすっていたかと思えば途中から弓で叩き始めて、これでは弓を使う意味はないのでは?と思ってしまいます。LED ZEPPELIN LIVE

 “Whole Lotta Love”でも、ステージの上に金属の棒を立てて、そこに手を近づけると音の高さが変化するような装置をくっつけて、ジミーは楽しんでいるが、これはギターの演奏とは関係がなく、一体何が面白いのだろうかと思ってしまいます。視覚的にも、それほど面白いとは思えませんけどね。
 この演出の減点を入れても、この曲には毎回、往年の黒人ブルースマンの作ったブルースがメドレー形式で演奏されるのを

聴けるのは嬉しいです。毎晩日替わりでいろんな曲が出て来るのだから、彼らのライブは楽しいですね。
 余談ながら、2度目の来日の大阪公演2日目では、ロバート・プラントがノリノリで、演奏時間は3時間を超えて、エルビス・プレスリーの曲を次から次へと歌いまくったと言われています(あのDEEP
PURPLEのボーカリストのイアン・ギランもロバートも実はエルビス・プレスリーの大ファンだという話です。会場の使用できる時間をメンバーたちが無視してプレイ。あとで、日本のプロモーターは会場サイドから大いにお灸を据えられたそうです)。

 何をどんな風にプレイするか分からない・・・それがツェッペリンのライブの魅力だったのでしょう。だから、未発表の曲も実験的にプレイすることも当たり前のようにやっていたのです。

 ですので、ライブ映画やライブの音源はあくまでも記録に過ぎないということは否めません。何をやるか分からないからできれば全公演を観たいバンド・・・それがツェッペリンというバンドだったのでしょう。
 ツェッペリンの海賊盤はBEATLESと並ぶくらい沢山出ていますが、ジミー・ペイジはこの海賊盤の流通を大いに嫌い撲滅しようとしていたようです(時は流れてジミー・ペイジも温厚になり、西新宿の某海賊盤屋に行ったジミーさんは店主から、沢山ツェッペリンの海賊盤をもらって満足した帰ったそうです)。

 でも、実際のコンサートに行く臨場感ほどスリリングなものはないですが、このライブ・アルバムはライブ体験できなかった多くのかたがたにとっても満足のいくものだと私は思います。