THE NIGHT WATCH (LIVE AT THE AMSTERDAM CONCERTGEBOUW NOVEEMBER 23rd 1973) / KING CRIMSON(ザ・ナイトウォッチ/キング・クリムゾン)

2020年4月21日

 

THE NIGHT WATCH (LIVE AT THE AMSTERDAM CONCERTGEBOUW NOVEMBER
23rd 1973) / KING CRIMSON

1. Easy Money
2. Lament
3. Book Of Saturday
4. Fracture
5. The Night Watch
6. Improv: Starless And Bible Black
7. Improv: Trio
8. Exiles
9. Improv: The Fright Watch
10. The Talking Drum
11. Larks’ Tongues In Aspic (Part II)
12. 21st Century Schizoid Man

 『ザ・ナイトウォッチ -夜を支配した人々-』(The Nightwatch Live at the Amsterdam Concertgebouw November 23rd 1973) は、1997年に発表された、キング・クリムゾンの2枚組ライヴ・アルバム。1973年11月23日に行われた、オランダのアムステルダム・コンセルトヘボウ公演の模様が収録されています。このアルバムを発売する頃から、ロバート・フリップは持っている秘蔵の音源をどんどんオフシャル盤にして、カネを儲ける気になったようです。

ロバート・フリップ -ギター、メロトロン
ジョン・ウェットン -ベースギター、ヴォーカル
ビル・ブラッフォード -ドラムス、パーカッション
デヴィッド・クロス -ヴァイオリン、ヴィオラ、メロトロン

 「USA」タイトルのライブアルバムが姑息なオーバーダブがしてあるのに対し、こっちは正真正銘4人でのライブ。1974年に発表されたアルバム「STARLESS & BIBLE BLACK(暗黒の世界)」に収録された音源も一部含まれていますが、同アルバムで施されたオーバーダブはほとんど取り除かれているとのことです。

 当時、BBCのFMで放送されたものが一部海賊盤で発売されていましたが、その時に放送されてない曲も含まれているので、非常に聴き応えがあります。当時のライブはアドリブが50%程度と言われていたので、それを実体験できるのが嬉しいです。この日のオープニングは“Larks’ Tongues In Aspic(Part I)”だったとも言われていますが、この曲の録音はないようです。

 とにかく素晴らしいという言葉がチンケに思えるくらいの迫力で、当時のクリムゾンのライブが追体験できるのはファンにとってはありがたいです。

 “The Night Watch”では、途中で演奏と関係のないノイズが入るのですが、これは、デヴィッド・クロスの使用していたメロトロンが故障した際に出たノイズのようで、その後、デヴィッドはメロトロンのパートをホナー・ピアノに切り替えて演奏しています。これもライブ演奏ならではのハプニングで、それもまたご愛敬といったところでしょう。

 唯一の不満といえば“Starless”が演奏されてないことでしょうか。当時のライブを満喫するのに、一番オススメのアルバムです。

 なお、ジャケットの絵はパメーラ・ジューン・クルック(P.J.Crook)という女性が担当し、彼女のイラスト画が採用されています。この頃以降、よく彼女の絵が使われていますが、中世的と言えるのかも知れませんが、個人的には好きな画風ではないですね。クリムゾンの音とも合ってないように思います。