解散後の1975年に発表されたKING CRIMSON名義では9枚目にあたる「USA」。その名の通り、1974年のUSAツアーでのライブを元にオーバーダビングされて発売されたものです。

ロバート・フリップ - ギター, メロトロン, エレクトリック・ピアノ
ジョン・ウェットン - ボーカル, ベース
ビル・ブラッフォード - ドラムス,パーカッション
デヴィッド・クロス – バイオリン,キーボード

 アルバム・クレジットにはこのようにメンバー表記がありますが、ロバート・フリップはデヴィッドの演奏部分を消して、エディー・ジョブンソンの演奏をかぶせるという非情な細工をしています。

 こういう姑息なことをするので、ロバート・フリップは嫌われるのでしょう。それだけならまだいいのですが、守銭奴ロバートはロバートみずから主宰するレコード会社「ディシプリン・グローバル・モービル」の公式サイトにて、このライヴのオーヴァーダブされる前の音源を有料配信し、コレクター音源としてCD化もしているというえげつないことをやっています。

 レコード発売時には、“Easy Money”は途中でフェードアウト。“Fracture”と“ Starless”は未収録でした。どうせなら最初から2枚組で出してくれたらよかったのですが、レコード会社が納得せず仕方なかったのでしょう。

 この頃のKING CRIMSONのライブ音源はアムステルダムでのライブを録音したものがブートレグとしてかなり出回っており(オンライン録音でBBCのFMで放送されたものらしい)、そっちのほうがいいという評価もあった(その後、ロバート・フリップがアムステルダムでのライブは「THE
NIGHT WATCH」というタイトルの2枚組CDで発売する)くらい。

 このアルバムはレコード盤では前記のように“Easy Money”は途中切れでしかもオーバーダビングがあると散々だったために評判はよくなかったのはたしか。

 しかし、CD化ではかなり改善されて、音も聴きやすくなっています。

 結局はこのアルバムを評価するかどうかは、ロバート・フリップがやらせた、収録後のオーバーダビングを評価するか、それともマイナス評価するかによると思います。

 私は基本的にライブアルバムは、必要最低限の修正のみ、認める派なので、この基準でいけばこのアルバムは“アウト”となります。なぜ、そういうオーバーダブをしたのかという詳しい裏事情は知りませんが、そういう事情があるなら、アルバムにそのことを最初から明記すべきだったと思います。