TONS OF SOBS / FREE (トンズ・オブ・ソブス/フリー)

2020年5月7日

 

TONS OF SOBS / FREE

1. Over The Green Hills (Pt 1)

2. Worry

3. Walk In My Shadow

4. Wild Indian Woman

5. Gion Down Slow

6. Im A Mover

7. The Hunter

8. Moonshine

9. Sweet Tooth

10. Over The Green Hills (Pt 2)

※曲目はオリジナルアルバムの曲目を紹介しております。

 FREEの記念すべきデビューアルバムです。アルバムが発売された1969年当時のイギリスはブルースロックが全盛の時代。

 しかし、驚くのは、このデビューアルバムが発売された当時は4人のメンバー全員が十代であったという点です。十代でありながら、ボーカルのポール・ロジャース、ギターのポール・コソフ、ベースのアンディ・フレーザー、ドラムスのサイモン・カーク、それぞれが卓越したミュージシャンであったというのが凄いことだと思います。

 とりわけ、ベーシストのアンディ・フレーザーは弱冠15歳でブリティッシュ・ブルース・ロックの登竜門と言われていたジョン・メイオール&ザ・ブルースブレーカーズに参加した経歴があるという凄腕。

 アンディ自身、ポール・ロジャースとともにFREEの多くの曲のコンポーザーとして名前を連ねているように、彼のベースラインは単なるリズム楽器に終わせらず、リード・ベースとも呼べるようなメロディを奏でているのが特徴的です。

 そのベースラインの上をエモーショナルともいえるポール・コソフの泣きのギターが走り、サイモンがシンプルながらタイトで正確なリズムを刻み、ポール・ロジャースが表現力豊かなボーカルをかぶせる。それがFREEサウンド。FREE

 このデビューアルバムが一番FREEにとってブルース色が豊かなアルバムなので、ブルース好きにはたまらないアルバムと言えるでしょう。1枚目にしてこれだけ完成度の高いアルバムを完成させたFREEに将来性を十分期待できる素晴らしいアルバムになっていると思います。

 アルバート・キングが歌っていた“The Hunter”などもこのFREEのアルバムで初めて耳にしたというかたも少なくないのでは?FREEの原点ここにありという渋くて、凄い1枚だと思います。

 “Over The Green Hills”で始まり、“Over The Green Hills”で終わるというコンセプトアルバムっぽい作りになっています。