FREE LIVE !/FREE(フリー・ライブ)

2020年5月7日

 

FREE LIVE !/FREE

 

1. 1.All right Now

2. I’m A Mover

3. Be My Friend

4. Fire and Water

5. Ride A Pony

6. Mr Big

7. The Hunter

8. Get Where I Belong

 ※曲目はオリジナルアルバムの曲目を紹介しております。

 数多い外国のアーティストの来日公演で、今まで「伝説のライブ」と言われて来たものがいくつかあります。

 たとえば、1971年7月15日の後楽園球場、嵐の中で行われたGRAND FUNK RAILROAD(もっとも、この日のライブは暴風雨の中で行われたために、メンバーが感電するのを恐れて、楽器などには電気が流れないようにして口パクでテープが流されただけとも言われている)や1971年8月1日箱根アフロディーテで行われた野外ロックフェスティバルでのPINKFLOYDなどなど。

 なぜだか1971年という年は伝説と言われているライブが多いのです。それだけ来日するアーティストが増えたということもあるでしょう。

 当時は、今のようにライブビデオがあるワケでもなく、テレビでもライブ動画とかが見られることも少なく、実際に動くアーティストが見られるのはライブに行って初めて、音楽情報も「ミュージックライフ」などのごくごく限られたものだけだったことから、音楽好きの人々は我を争って見に行ったということが多かったようです。

 ですから、チケットを入手することも難しく(今のようにオンラインシステムもない)、コンサートに行けること自体がステータスのような時代であったわけです。

 先にあげた伝説のコンサートの多くが観客数万人規模の大きな会場で行われた中にあって、いわゆるホールクラスの2千人に満たないコンサート・ホールでのギグ伝説となっているのはFREEくらいなものでしょう。

 1971年4月30日東京神田共立講堂で行われたFREEの初来日公演を伝説のコンサートに上げる人が多いようです(「Rock Carnival #4」というイベントの中で他の日本のグループも登場していたようです)。

 チケットがなくコンサート会場に入れなかったファンが暴動騒ぎを起こしたとか、会場の外に漏れて来る音をファンが聴くためにソバ耳を立てたとか、コンサートが終わっても会場周辺ではファン同士の交友が進み、翌日の朝まで周辺は盛り上がったとか・・・。

 会場内のファンも超盛り上がり、最初から総立ち状態でステージ前に観客が殺到したとか。

 ドラムスのサイモン・カークがヒートアップし過ぎてステージを降りてから、失神してしまったとか・・・。

 その日の演奏曲目が

 1.Fire And Water
 2.Stealer
 3.I’m A Mover
 4.Be My Friend
 5.All Right Now
 6.Heavy Road
 7.The Highway Song
 8.My Brother Jake
 9.Soon I Will Be Gone
 10.Mr.Big
 11.Ride On Pony
 ——————
 12.Cross Road

 ちなみに翌日の5月1日のライブも、ある意味伝説と言えるかもしれません。前日コンサートが見られなかった人々が評判を聞き、さらに殺到したとか。東京大手町にあるサンケイホールで行われた同様のイベントですが、この日のFREEの登場は午前3時半頃だったとか(つまり正確には5月2日)。MCの糸井五郎は「THE FREE」と紹介してコンサートが始まりました。

 この日はトリではなかったものの、アンコールに次ぐアンコールで、2回アンコールに応じたものの、次の出演者の成毛滋グループ(ドラムス:つのだ☆ひろ)の準備にかかっていたスタッフとFREEの意志の疎通がうまくいかず、FREEのメンバーたちは3回目のアンコールに応えよう(予定は“CrossRord”だったようです)とステージに登場したアンディはフレーズを弾き始め、(サイモンのドラムキットは片付けられていたため)サイモンはつのだ☆ひろのドラム・セットを叩き出し、何とか演奏が始まったものの、結局ギターの音がすでにオフ状態になっており、演奏できないのに腹を立て、アンディはベースのヘッドをスピーカーに何度も突き刺し、サイモンはドラムセットをバラバラに破壊し、ポール・ロジャースはマイクスタンドを後方に投げつけて引っ込んで行ったといいます。

 サンケイホールでの演奏曲は

1. Fire And Water
2. Ride On A Pony
3. I’m A Mover
4. Be My Friend
5. The Stealer
6. Heavy Load
7. The Highway Song
8. My Brother Jake
9. Soon I Will Be Gone
10. All Right Now
11. Mr. Big
12. The Hunter

 となっております。

 さて、「FREEは結局ライブバンドなんだ。」ポール・ロジャースはそう言っていました。そのライブの醍醐味を味わえるオフィシャル・ライブアルバムがこの「FREE LIVE ! 」です。(1971年制作)。FREEワイト島ライブ

 このライブアルバムは実は来日前にメンバーたちがプロデュースをすませていました。日本公演とは違い、彼らの最大のヒット曲“All Right Now”からスタートします。ポール・コソフのギターの状態が今イチなのにそのまま収録されているっていうのが逆に臨場感を感じます。

 FREEは1971年、2月5日、イングランド中部にあるトレント河畔のストーク市のヴィクトリアホールから、ツアーを開始しました。オープニングの“All Right Now”と“The Hunter”の2曲はツアー開始1週間後のタインアンドウィア州にある港湾都市サンダーランド市のエンパイア・シアターで収録されたもの。残り5曲はツアー3日目の2月7日、クロイドンのフェアファールド・ホールで収録(最後の“Get Where I Belong”のみ3月にロンドンのアイランド・スタジオで収録)。

 2月5日に始まったイギリス・ツアーは19都市を廻り、3月7日、ロンドンのライシュームでスケジュールを終了。その後、メンバーは約1カ月の休養を取ることになったのです。活動を始めて本格的な休暇はこれが初めてだったようです。

 その後、FREEのメンバーは来日し、上記2日のコンサートを終えて、ディープ・パープルなどと共演するオーストラリアへと旅立って行ったのです。ポール・コソフ熱演

 予定では5月14日15日とニューヨークでのフィルモア・イーストに出演後、イギリスに戻り、7月にはヨーロッパツアー、そして9月には2月からのツアーより大規模なイギリス国内のツアーが企画されていたという話です。

 ところが、オーストラリアから、ツアー中のはずの何人かのメンバーがひょっこりと日本へ戻って来たのです。突然の解散劇です。オーストラリアツアー中にポール・ロジャースとアンディ・フレーザーが音楽性の違いから衝突したのが原因だとも、ポール・ロジャースが来日中に知り合った日本人女性が原因だったと言われています(事実、その後、ロジャースは日本人女性清水マチという女性<女優、野添ひとみさんの妹さん>と結婚しています。そのマチさんの叔母さんがTBSのプロデューサー野添和子氏がだったことから、坂上二郎さんが主演をしていた「夜明けの刑事」の挿入歌“Yoake No Keiji”をポール・ロジャースが作詞・作曲し歌うことになるのです。ロジャース氏は19990年代にソロ・ツアーで来日した時に、東京五反田の簡易保険ホールでのライブでこの歌を歌い、絶賛を浴びています<私も観に行ってました>。また2010年、再結成BAD COMPANYのメンバーとして来日した際にも、アコースティックギターの弾き語りでフルコーラス披露しています。奥さんが日本人だった関係でよくプライベートで来日していて日本語もかなり上手です。その後、日本人の奥さんとは離婚してしまいましたが、二人の間に生まれた息子さんと娘さんはボアというバンドを結成して、イギリスで活動中と言います)

 さてさて、このライブアルバムですが、イギリスのファンの音楽に対する真摯さを感じます。演奏中は音に真剣に向き合い、1曲終わると凄い歓声が沸き上がる・・・それがアメリカのコンサートをパーティと勘違いしている一部のファンと大違い。

 アルバムは始まりから終わりまで一気に聴かせてくれます。スタジオ盤より荒削りなサウンドですが、それは会場が盛り上がっている証拠でしょう。ポール・ロジャースの歌っているところをご覧になったかたは分かると思いますが、彼はマイク・スタンドを巧みにつかみ、持ち上げ、振りかざし、その動作1つ1つが絵になっているのです。

 1曲1曲を解説するまでもないでしょう。とにかく、その熱気と迫力は筆舌に尽くせません。聴くというより、感じて欲しい、そんなライブアルバムです。

 ひょっとして彼らも燃え尽きてしまったのかも知れません。最後のスタジオテイク“Get Where I Belong”が熱気の火照りをクールダウンしてくれるかのように癒やしてくれるでしょう。

 なお、ジャケットはAirMailに見立てたデザインになっており、レコードで発売された時には切手になっているメンバーの部分が別の紙で貼られているという凝った作り。裏ジャケットも手紙っぽい差し込み用の取っ手が作られています。