FREE AT LAST/FREE

 

 

 

 

 

1. Catch the Train

2. Soldier Boy

3. Magic Ship

4. Sail On

5. Travellin’ Man

6. Little Bit Of Love

7. Guardian Of The Universe

8. Child

9. Goodbye

※曲目はオリジナルアルバムの曲目を紹介しております。

 ついに・・・その時が来た。FREE AT LAST・・・この言葉はFREEデビューに大きく貢献してくれたイギリス・ブルース・ロック界の重鎮アレックシス・コーナーが一時期自分のグループ名につけていた言葉であり、FREEのグループ名の由来でもあります。しかし、その名の通り、これは栄光の歴史を重ねて来たオリジナル・メンバーでのFREEの終焉を意味しています。

 実はFREEが1971年にオーストラリアで突然解散してから、メンバーはそれぞれの道を歩み始めていました。

 ポール・ロジャースはQUARTERMASSのドラマーだったマイク・アンダーウッドと彼の友人のスチュアート・マクドナルドとPEACEというグループを結成し、MOTTO THE HOOPLEの前座でツアーをしたり、レコーディング活動をしていました。

 アンディ・フレーザーはTOBYというグループを結成しコンサートやレコーディングをしていました。

 残る2人、つまりポール・コソフとサイモン・カークは日本人ベーシスト山内テツやアメリカでスタジオ・ミュージシャンをしていたキーボードプレヤーのジョン・パドリック(愛称:ラビット)とセッションして「KOSSOFF,KIRKE,TETSU,RABBIT」というアルバムを完成させていました。

 しかし、「KOSSOFF,KIRKE,TETSU,RABBIT」のアルバムは日の目を見たものの、ポール・ロジャースとアンディのそれぞれのグループは契約問題で座礁し、アルバムを発表できない状態になってしまっていたのです。

 そんな中で、FREEのオリジナル・メンバーが結集し、再度アルバムを作るという話が持ち上がったのです。今となってはそれは4人とレコード会社の契約が残っていたためとも思いますが、オリジナルFREEの新アルバムが再び発表されると知ったファンは喜びました。

 今でこそ、アーティストは自分のペースでレコーディングを自由にすることが可能ですが、当時の契約は1年で2枚のアルバムを作るというような契約は珍しくなく、その契約がハードなスケジュールを余儀なくされて、解散を早めて行ったグループも少なくありません。

 さてこの「FREE AT LAST」というアルバム(1972年制作)ですが、全9曲のコンポーザーとして4人のメンバーの名前がクレジットされています。そこにも政治的な思惑はあったでしょうが、客観的に聴いてみると悪いアルバムではありません。

 時代的な流れという中で聴いてみると、ポール・ロジャースが主導で作ったと思われる“Sail On”や“Little Bit Of Love”などはその後、ロジャースが結成するBAD COMPANYの香りを感じさせてくれますし、ポール・コソフは低いディストーションがかかったサウンドから、彼独特の泣きのギターという高音のエモーショナルとも言えるサウンドを、よりフィーチャーしたプレイへと移行して来ているのがみて取れます。

 しかし、最後の3曲“Guardian Of The Universe” “Child” “Goodbye”はFREEが受け入れべき運命を物語るかのように悲壮感が漂う曲調になっています。だからFREEのファンであればあるほど、やはりこのアルバムを繰り返し聴くのはきついかも知れませんね。

 このアルバムの制作はオーストラリアでの突然の解散劇に大きなショックを受けて薬物依存症になっていたポール・コソフを立ち直させる意味もあったようですが、これから先のコソフのたどった道を考えれば考えるほど、残念な終焉であったと思います。