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THE BOOK OF TALIESYN/DEEP PURPLE

 

1. Listen, Learn, Read On

2. Wring That Neck

3. Kentucky Woman

4. Exposition/We Can Work It Out

5. Shield

6. Anthem

7. River Deep, Mountain High

※曲目はオリジナルアルバムの曲目を紹介しております。

※ジャケットは発売された国や時期によって各種あるので、ご了承ください。 

 アメリカではデビュー・アルバムからわずか3カ月後の1968年10月にセカンド・アルバムとなる「THE BOOK OF TALIESYN」が発売されました。

 デビュー・アルバムよりさらにインストゥルメンタルに重点が置かれて、ハードな音作りになっています。7曲中3曲がカバー曲でアレンジはすべてオリジナルよりかなり変えてあります。

 キーボードとヴォーカルは比較的うまく絡み合っているものの、マイルドなロッド・エバンスの声とリッチーのハードなギターがだんだんとそぐわなくなって来ている感があります。個人的には第1期のアルバムでは一番印象が薄く、中途半端な印象です。

 当時は海賊版まがいの酷い音質のアメリカ盤が出回っていた時期もあって、あまりいい印象を持っていない人も多かったのではないでしょうか?

 1曲目“Listen, Learn, Read On”はかなりハードなギターとドラムで始まります。エコーどっぷりのヴォーカルが時代を感じさせます。アップテンポでいい感じで進行するのに、いきなりフェイドアウトで尻切れとなるのが勿体ない曲です。歌うというより語りかけるようなところもあり、ミステリアスな雰囲気を作るのにはロッド・エバンスの声は似つかわしいと思います。

 2曲目の“Wring That Neck”は2期の初期にもよく演奏されていたインストゥルメンタルの曲で、バロック調のクラシックっぽいハモンドオルガンとリッチ・ブラックモアの多少抑え気味の絡みがよく合った曲です。

 ライブの場合はこの曲だけで20~30分続いていたことも少なくなく、動画として観れば面白いけれど、音だけ聴くと飽きてしまう場合もありました。スタジオ盤ではあっさりと終わっているので退屈はしません。

 3曲目“Kentucky Woman”はシングル・カットしてスマッシュヒット(全米チャート最高位38位。ちなみにアルバムは最高位40位)。オリジナルはニール・ダイアモンド。間奏のジョン・ロードがなかなかの聴き応えがあります。

 4曲目“Exposition/We Can Work It Out” 前半はジョンのキーボードをフィーチャーしたインストゥルメンタル。後半はビートルズの曲のカバー。日本のグループ・サウンズのザ・タイガースが歌えば似合うような乙女チックな曲調。

 5曲目“Shield” 妖しい曲調で、魔女でも出て来そうな雰囲気。リッチー・ブラックモアは結構こういう中世っぽい曲調が好きなのではなかろうか?

 6曲目“Anthem” 甘い曲調で淡々と続き、途中からはストリングスまでパイプオルガンっぽいハモンドオルガンが被さり、泣きのギターがさらに追いかける。どことなく悲しい雰囲気はいいのだけど、今イチ盛り上がらずに終わってしまうのが、ジョン・ロードの才能の限界か?と思わずにいられない。

 7曲目“River Deep, Mountain High” アイク&ティナ・ターナーがオリジナル。イントロにリヒャルト・シュトラ ウスの交響詩“ツァラトゥストラはかく語りき”のフレーズが導入されています。ジョン・ロードがこのフレーズが好きで第2期のライブでも“Space Truckin’”の間奏部分でよく演奏していました。エリック・バードン&ジ・アニマルズやセリーヌ・ディオンなど多くの人がカバーしている超有名な曲です。おそらくDEEP
PURPLEは時代的なことからいうとアニマルズのカバーにインスパイアされてこの曲を入れたのだと思います。

 ただロッド・エバンスはエリック・バードンの迫力と声量はなく、超一流になれなかったところがDEEP PURPLEの当時の実力と評価されるのでしょう。

 アルバムが発売された月にはメンバーたちは渡米して数々のライブ・ステージを行い、丁度フェアウェル・ツアーを行っていたクリームの前座も務めてたようです。“Hush”のヒットによって必然的にアメリカでの活動が重視され、一時イギリスに戻ったのちに翌1969年3月まで再度アメリカ・ツアーが行われています。